東京オリンピック選手村の場所・施設・食事情報

東京オリンピック選手村の場所・施設・食事情報

東京オリンピック開催に向けて、三方を海に囲まれた晴海ふ頭公園周辺に建設されているのが選手村。

2019年12月に選手の生活拠点である居住ゾーンが完成、その他のエリアは2020年4月完成予定と着々と準備が進行中です。

こちらではオリンピック選手村の施設概要やサービス、大会後の利用方法などについてご紹介します。

そこで本記事では

  • 「居住ゾーン」「ビレッジプラザ」「運営ゾーン」の3つのエリアについて
  • 選手村の場所(アクセス)や施設紹介
  • 選手村で出される食事について
  • 東京オリンピックが終了後の選手村はどうなるのか
  • 前回1964年東京オリンピックの選手村はどうだった?

について紹介していきます。

レガシー(遺産)となることを目指している東京オリンピック、都民の貴重な財産として未来に引き継ぐ物理的レガシーである選手村にも目を向けてみましょう。

目次

東京オリンピック選手村ってどんなところ?

選手村は大会期間中に選手や役員などが寝泊りする場所です。

宿泊者数はオリンピックでは約1万8千人、パラリンピックでは約8千人にのぼります。

東京オリンピック・パラリンピックの選手村は晴海ふ頭公園周辺に作られており、その広さは東京ドーム約8.5個分。

日本を意識した内装を施しており、各国のオリンピック選手達に日本の文化・伝統を感じてもらえることを目指しているんです。

選手村の中には食堂やお店はもちろん、トレーニング施設や宗教センターなども作られ一つの街として機能します。

大会期間中は、関係者以外は立ち入ることができません。

選手村は「居住ゾーン」「ビレッジプラザ」「運営ゾーン」の3つのエリアに分かれている

居住ゾーン:選手団が生活するエリア

選手・役員が寝泊まりをする場所が居住ゾーンです。

14~18階建ての宿泊マンションが21棟建設され、出場国ごとにスペースが振り分けられます。

ダイニング(食堂)は、5000席のメインダイニングのほか、気軽に食事がとれる各700席の3つのカジュアルダイニングがあるんです。

居住ゾーンはその快適さを確保するため、原則としてマスコミ関係者も入れないことになっています。

選手の部屋ってどうなってるの?

居住ゾーンは建築途中のマンションを利用したもので、選手の部屋は1つの住居をいくつかの部屋に仕切って使います。

各部屋の広さはシングルで9平方メートル以上、ツインは12平方メートル以上。

それぞれの部屋にはベッドやクローゼット、テーブルが置かれ、共有部分にはユニットバスや丸テーブル・いすが用意されたスペースがあります。

ベッドはリサイクル可能な段ボール製、クローゼットは車いすに座ったままでも使用可能などの工夫がされているんです。

冷蔵庫や洗濯機はなく、組織委員会によると「ホテルの部屋のようなイメージ」だそうですよ。

ビレッジプラザ:選手団及び選手村のゲスト、メディアなどを対象とする多くの店舗で構成されるエリア

大会期間中に参加選手やその家族、マスコミ関係者などが使用するエリアです。

カフェや郵便局、クリーニング店、美容室といった店舗や情報発信基地となるメディアセンターなどがあります。

建物は5棟による分棟形式の平屋建てで、全国の63自治体から無償で提供された木材を使用して作られているんです。

運営ゾーン:選手村を運営するのに必要な主な機能を集約したエリア

選手村の運営に必要な施設が集まるのが運営ゾーン。

選手村内に入るときには、ここにあるゲストパスセンターやメディアセンターでパスを発行してもらうんです。

居住区域から完全に離れており、騒音を最小限にする配慮がなされています。

選手村の場所(アクセス)や施設紹介

選手村の場所:〒104-0053 東京都中央区晴海5丁目

東京臨海新交通臨海線ゆりかもめ「新豊洲駅」に下車し徒歩約20分の場所にあります。

では選手村内にある施設について紹介していきますね。

総合診療所(ポリクリニック)

各種医療サービスを提供し、体調管理をサポートすることを目的に作られたのがこちら。

選手や大会スタッフの体調不良やケガに対応するため、医師・歯科医・看護師・薬剤師・理学療法士などが滞在し、各種医療機器も備えています。

フィットネスセンター

選手村居住エリア内で運動ができるのがこちらの施設。

各種トレーニングマシーンに加え、400mトラック・プール・テニスコート・水辺に沿ったジョギングコースが整備されています。

カジュアルダイニング

各国の選手にくつろいでもらうことを想定した場所が、3階建ての複合施設内の約400席のカジュアルダイニング。

これはオリンピック出場経験者で構成されるアスリート委員会からの、「住居近くに気軽に食事ができる場所が欲しい」という意見によってできた施設なんです。

10000㎡の巨大メインダイニングホール

食事提供の中心を担うのは24時間営業で2階建てのメインダイニングです。

1ヘクタールもの大きさで、1度に4500人を収容できる規模を誇ります。

選手村中心の居住ゾーンの出入り口付近に位置しており、居住ゾーンへの出入りの際に食事を摂ることができるように配慮されているんです。

すべての宿泊棟はメインダイニングとデッキでつながっており、デッキを歩けばスムーズに宿泊棟へと戻れる構造。

さらにデッキの下からは選手村内循環バスに乗ることもできます。

アクセスしやすい場所に位置することで、食事提供だけでなく、選手たちの交流の場になることが期待されているんですよ。

東京オリンピック選手村ではどんな食事が出される?

メインダイニングでは日本料理はもちろん、世界各地の料理、宗教を配慮したハラール料理、好みに応じたベジタリアン料理など様々な料理を用意しています。

その他にも減量メニューや疲労回復メニューなど選手の栄養面に配慮し、多様なニーズに対応した700種類のメニューが、1日最大で450000食も提供されるんです。

これらのメニューは帝国ホテルの特別料理顧問である田中健一郎さんが座長を務める、メニュー検討会議で決められます。

2019年4月には第一回の会議が開かれ、栄養学の専門家や、元オリンピック選手など総勢21人が出席。

選手が一番良い成績を残せるような食を提供することを目指して、今後も検討を続けていくそうです。

またカジュアルダイニングでは、うどんやお好み焼きなどの日本食のほか、日本の食文化や食卓の味を象徴する一般公募メニューが提供されます。

食事を提供する会社はエームサービス?

組織委員会は委託企業に「日本の食文化を体験する場」として食堂を活躍させることを求めました。

そのお眼鏡にかなったのが、選手村内の食堂運営を引き受ける事業給食大手のエームサービスです。

契約金額は62億3470万円!

大会期間中、選手・スタッフなどに約140万食を提供する予定です。

エームサービスは1998年の長野冬季オリンピックの際にも選手村の食堂運営を手がけており、オリンピックは経験済み。

親会社のアメリカのアラマーク社は、他のオリンピックでも食堂運営を行っているエキスパートです。

また、トップ選手向けのトレーニング宿泊施設である「ナショナルトレーニングセンター」でも食堂を運営しており、スポーツ選手への食事提供の実績も十分。

さらに、秋田県や宮城県などと連携協定を結んでおり、地方の特産物を使ったメニューの提供も予定しているとのこと。

和食の提供による日本食文化の発信をめざしています。

前回1964年東京オリンピックの食事はどうだった?

当時、選手村でシェフを務めた方のお話では約300人のシェフが、選手と役員の合計約5000人分の食事を提供したそうです。

カフェテリア方式の食堂も用意され、そこでは約30人のシェフが待機。

ひっきりなしに訪れる各国の選手・役員からの要望に事細かく対応し、食事を提供しました。

当時のメニューが記された本には、「鮭のボイル オランダ風ソース」、「スウェデン風 ミート・ボール 洋麺添え」などのメニューが掲載されています。

それぞれの国や地域の好みに応じて、様々な工夫を凝らしたメニューが提供されたことが伝わってきますね。

情報収集や食材集めも今ほど簡単にはできない時代、シェフたちは多くの苦労を味わったことが想像できます。

東京オリンピックが終わったら選手村の跡地はどうなる?

大会終了後には、選手村は改修され、分譲・賃貸マンションとなるんです。

居住ゾーンとして使用された建物17棟に加え、50階建てのタワーマンション2棟と商業施設1棟が増設され、約5600戸のマンション群が誕生します。

また、環境に優しい究極のエコカーとされる燃料電池自動車(FCV)に燃料を提供する、水素ステーションも配備される予定です。

跡地周囲には商業施設や学校も建設される予定となっており、1万人以上が暮らす「晴海フラッグ」という新たな街が出来上がるんですよ。

晴海フラッグとはどんなマンション?価格は?

晴海フラッグは銀座へ約2.5㎞、東京駅へは約3.3㎞と東京のど真ん中に位置するのが特徴。

三方が海に囲まれ、場所によってはレインボーブリッジや東京タワーなど東京の美しい夜景を一望できる好立地です。

その中には小中学校・保育施設・商業施設の建設が予定されており、一つの街として機能するように整備が進められています。

広さは61.06㎡~152.10㎡、間取りは2LDK~4LDKと大きめ、これは選手村にするために設計された名残です。

販売価格帯は4,900万円予定~2億2,900万円台が予定されています。

前回1964年東京オリンピックの選手村はどうだった?

東京オリンピックの選手村は、新たに建設したのではなく、昭和22年にできた米軍将校家族宿舎であるワシントンハイツを使用。

ワシントンハイツは学校・教会・劇場・診療所などがある大規模な施設であり、メイン会場である国立競技場からのアクセスも良く選手村にぴったりでした。

249棟543戸の木造住宅と、4階建て鉄筋の14棟のアパートがあり、そのまま選手宿舎として利用されたんです。

オリンピック終了後には建物を解体し、森林公園として造成されることが決まっていたため、追加建設が必要な食堂などの周辺施設は、仮設建物で建設されました。

その結果選手村は総面積66ha(ヘクタール)の規模となり、大会期間中には選手・役員などの関係者約5,900人が滞在。

現在、跡地は代々木公園と国立オリンピック記念青少年総合センターになっています。

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